NIIGATA MUSIC LABORATORYは、新潟県内の音楽・アート活動支援として、イベントオーガナイザーを行い、⻑年社会貢献事業を展開してきた中で、新潟は音楽業界「全体」での関わり合いが薄く、ライブハ ウスやライブバー、音楽教室などそれぞれが独自した文化圏を持って事業を行っている傾向にあることや、子どもたちが音楽を一から体験する機会や継続するための選択肢・環境が少ない状況にあると気づきました。そこで、地域情報の集約や街を繋ぐ「ハブ」となることに加え、学校部活動の地域移行問題の解決と、市内の芸術文化普及促進の双方に資する取り組みとして、中高生が地域で音楽や文化活動を表現する「NIIGATA MUSIC GARDEN」を開催しました。
公募で集まった中高校生による軽音部などのバンド発表9 組に加え、instagramなどで注目されるプロのドラマーによるパフォーマンスとドラム体験ワークショップを実施。出演した中高校生からは、「軽音部はそもそも学校で練習できる場がすでにない」「地域で音楽ステージイベントがあることで区域を超えた出会いや協力体制が組めるので、いろいろな可能性や出会いがあって嬉しかった」といった声が聞かれたほか、「駅前や地域でライブするための方法や注意点を知りたい」という自発的な活動につながることが期待される質問も寄せられました。
「NIIGATA MUSIC GARDEN」の開催に平行して、駅南エリアで開催した地域循環イベント「NEW HOPE fes.」との連動により、中高校生と地域住⺠が交流できる機会を設けました。
取り組みを通して、中高校生には、表現の場として「地域という選択肢があるんだ」と感じてもらうことができ、学校部活動の地域移行を知らない方々にその動きを知る機会を提供できました。
「NIIGATA MUSIC GARDEN」は、ステージなどを設置せず、新潟駅南口中央広場の花壇や既にある魅力を活用して会場をレイアウトしました。いつもある街の風景が、工夫一つで大きく変わるという事を若者や、道ゆく人々が感じてくれたのではと思います。今後も、街の公共空間の利活用などを通して敷居を低くするとともに、観覧はもちろん「体験」「体感」する場をつくっていきたい です。
プログラムオフィサーより
部活動の地域移行を起点とした中学・高校生による表現活動の場を確保したい、というNIIGATA MUSIC LABORATORYさんの思いがつまった取り組みでした。
出演可能枠上限数の団体から応募があっただけではなく、「出演したかった」という声も聞かれたそうで、中学・高校生から寄せられた関心の高さが伺えます。当日は、自団体の演奏終了後も他のバンドの演奏を聞いたり盛り上げたりする姿が見られただけでなく、バンド同士での会話が生まれているようでした。
また、ドラム体験ブースには、小学生くらいの子どもや、60代以上の大人も参加されており、NIIGATA MUSIC LABORATORYさんがめざされていた、様々な方が聞くだけではなく体験する機会になっていたと感じました。
(高橋)