【助成事業紹介】ちょっといきなり本読み!in新潟2025(新プロジェクトへのチャレンジ助成)

  • 投稿日:
    2026.03.02(月)
  • written by:
    ゲスト
  • 記事カテゴリー:
    文化芸術活動に関する支援事業
  • ジャンル:
    演劇
写真(上):ちょっといきなり本読み!in Bar Book Box STOREの様子
●ちょっといきなり本読み!in SEIRANKAN
日時2025年11月21日(金)
受付開始19:10
スタート19:30
終  了21:30
※終了後、22:00まで座談会開催
会場SEIRANKAN(新潟市中央区西堀通4番町259-58)
進行/演出岩井秀人(台本「エンド・オブ・ワールド」)
●ちょっといきなり本読み!in Bar Book Box STORE
日時①2025年11月22日(土)
受付開始10:40
スタート11:00
終  了13:25
※終了後、13:55まで座談会開催

②2025年11月22日(土)
受付開始15:40
スタート16:00
終  了18:00
※終了後、18:30まで座談会開催
会場Bar Book Box STORE(新潟市中央区東中通1番町86-21 トールビル3階 リトルライトシアター)
進行/演出①平石実希(台本「ごっちん」)
②岩井秀人(台本「エンド・オブ・ワールド」)
●ちょっといきなり本読み!in 万代市民会館
日時2025年11月23日(日)
受付開始10:40
スタート11:00
終 了13:00
※座談会なし
会場万代市民会館 研修室(新潟市中央区東万代町9-1)
進行/演出岩井秀人(台本「エンド・オブ・ワールド」)
●ちょっといきなり本読み!ファシリテーター養成講座
日時2025年11月23日(日)
受付開始15:40
スタート16:00
終  了19:00
会場万代市民会館 研修室(新潟市中央区東万代町9-1)
講師岩井秀人
●共通
事業実施者Souer+
採択金額160,000円
実施者からの報告
「演劇活動の担い手」と「観客」の双方を育て、新潟全体のパフォーミングアーツの可能性を広げていくことを目標として、昨年度に引き続き、ハイバイ 岩井秀人氏による「ちょっといきなり本読み!」と、本読み企画を運営/進行するファシリテーターの養成講座を開催しました。
今年度は新たにBar Book Box STOREを会場に加えた他、昨年度の「ファシリテーター養成講座」を受講し、免許皆伝を受けた平石氏によるファシリテーター回を設けました。

Bar Book Box STOREを会場の一つとした背景として、昨年度実施時に、参加(台本を読む人)と見学(本読みの様子を見届ける人)の方々から、「本読みをしていると/本読みにチャレンジしたいものの、見ている人や外からの目が気になる」という声が聞かれたことがあります。「見られている」という負担感を少なくし、参加者とファシリテーターの間で関係性を構築しやすいサイズ感の日常空間を会場とすることで、より「演劇は誰でも気軽に楽しめる」という実感(ハードルの低さ)を参加者に提供することができました。台本を読む人として参加された演劇未経験の方からは、「とても緊張しましたが、楽しかったです。素人参加者にもかかわらず、うまく輪に入れていただいて、ポジティブなお声掛けもいただいて、本当にうれしかったです」という感想が聞かれ、「演劇=上手な人だけがやるもの、好きな人だけが楽しめるもの」という敷居の高さを打破し、経験の有無を問わず誰もが楽しめる機会を提供する目標を達成することができたと考えます。また、ファシリテーターによる「ポジティブな声掛け」や「褒め」により、参加者の自己肯定感の醸成に昨年度から継続して寄与できただけでなく、見学の方からも「一緒に参加している気持ちになれた」という感想が聞かれ、その日その場に集まった人達みんなで一つの物語を旅するような非日常的な達成感(=演劇の面白さ)を提供することができました。
参加・見学の中には、本企画へのリピーターが多かったことも今年度の特徴として挙げられます。昨年見学だった方が今年は友人を連れて見学に来てくれたり、昨年の見学者が今年は参加枠(台本を読む人)で申し込んでくださったりする動きがありました。さらに、「昨年度のこのイベントに参加してから、演劇が身近になり、新潟の劇団さんの公演を見に行くようになりました」というアンケート回答もあり、微力ながらも、本企画が演劇の裾野を広げ、新たな観客を創出する入口として機能していることを実感することができました。

一方で、地元ファシリテーターによる進行の応用力検証と集客の難しさが、今年度の事業実施を通して明らかになりました。
昨年度の養成講座受講後、今年4月のモニター開催を経て今回実践に至るまで綿密な準備があったものの、その場に集まる人々の多様性に対応する応用力や、ファシリテーターとして参加者とコミュニケーションを取り、場を温め、安心してチャレンジできる環境を創りながら、ト書きを読み、演技に対するコメントをし、音響操作をするといったマルチタスクを高いレベルでこなす難しさが浮き彫りとなりました。今後は、地元ファシリテーターの応用的な進行技術の定着をめざし、ファシリテーター養成講座受講者同士で連携し、技術向上に努めていくことを考えています。まずは見学を想定しない形で参加者の方が楽しめる進行ができるように「多様な参加者への対応」や「ファシリテーターからのオーダーに対してあまり演技に変化がみられない場合の進行技術」といった実践的な応用訓練を組み込み、企画の質を担保できる地元のファシリテーターを引き続き育成していきたいです。その後、見学の方も巻き込んで楽しい時間を創造できる進行技術の習得を目指し、見学者へ「過程」と「見通し」を共有するスキルをファシリテーターが身に着け、満足度向上を図っていきます。
集客については、見学枠における難しさが明確になりました。今年度は、より演劇を体験しやすい環境を構築することに力を入れて取り組んだこともあり、演劇経験のない方からの参加も昨年度より増加し、演劇の楽しさを味わってもらうことができ、大変収穫がありました。その一方で、昨年度実施した、事前に参加者(台本を読む人)を紹介するという広報活動をとることが難しく、見学枠の集客に向けた広報戦略に苦戦したため、改善策を検討する必要があります。また、定員設定によって、一度に大勢の方に企画や演劇の魅力を伝えることが難しいという課題も合わせて感じました。今後は、ファシリテーターのガイドによって、どのような参加者が集まっても、見学していても演劇のおもしろさが充分に伝わることをより明確に広報にのせていくとともに、地元ファシリテーターと連携を取りながら継続的にワークショップを開催することで、ファンを増やしていきたいです。
ちょっといきなり本読み!in SEIRANKANの様子
ファシリテーター養成講座の様子
プログラムオフィサーより
今年度は、「見せる本読み」と「体験する本読み」それぞれの特徴を鑑みながら開催意図と融合する方法を模索する、という昨年度の事業実施でつかんだ課題に取り組まれました。今回開催するにあたり、会場選定や定員の設定、会場内のレイアウト方法などを、「昨年度はこうして、こんな反応だったから、今年度はこうしたらどうか」と、いくつかのパターンを想定しながら検討し、決められていました。その結果、「演劇は未経験です」と仰られる方々からも「台本を読む人」として参加いただくことができ、終了後の座談会で「はじめは不安だったけれど、不安になっている暇もないくらい必死になりながら、熱量にも感化されました」と、達成感のある表情を浮かべていらっしゃったことが、とても印象に残っています。
上記報告にもあるように、演劇体験をしやすい環境構築に重点を置いたことによって、収穫と課題が明確に得られたと思います。昨年度に続いて2回目の開催となり、地元のファシリテーターも増えてきました。「気軽に演劇を楽しめる機会を創出したい」というSouer+さんの目的に向かって、開催意図に応じた環境設定や企画の魅力の伝え方の試行を続けながら、地元ファシリテーターの協力を仰ぎながら演劇を楽しむ機会を継続的に設け、事業の質を維持・向上する取り組みにも挑戦し、深化していってほしいです。(高橋)