「演劇活動の担い手」と「観客」の双方を育て、新潟全体のパフォーミングアーツの可能性を広げていくことを目標として、昨年度に引き続き、ハイバイ 岩井秀人氏による「ちょっといきなり本読み!」と、本読み企画を運営/進行するファシリテーターの養成講座を開催しました。
今年度は新たにBar Book Box STOREを会場に加えた他、昨年度の「ファシリテーター養成講座」を受講し、免許皆伝を受けた平石氏によるファシリテーター回を設けました。
Bar Book Box STOREを会場の一つとした背景として、昨年度実施時に、参加(台本を読む人)と見学(本読みの様子を見届ける人)の方々から、「本読みをしていると/本読みにチャレンジしたいものの、見ている人や外からの目が気になる」という声が聞かれたことがあります。「見られている」という負担感を少なくし、参加者とファシリテーターの間で関係性を構築しやすいサイズ感の日常空間を会場とすることで、より「演劇は誰でも気軽に楽しめる」という実感(ハードルの低さ)を参加者に提供することができました。台本を読む人として参加された演劇未経験の方からは、「とても緊張しましたが、楽しかったです。素人参加者にもかかわらず、うまく輪に入れていただいて、ポジティブなお声掛けもいただいて、本当にうれしかったです」という感想が聞かれ、「演劇=上手な人だけがやるもの、好きな人だけが楽しめるもの」という敷居の高さを打破し、経験の有無を問わず誰もが楽しめる機会を提供する目標を達成することができたと考えます。また、ファシリテーターによる「ポジティブな声掛け」や「褒め」により、参加者の自己肯定感の醸成に昨年度から継続して寄与できただけでなく、見学の方からも「一緒に参加している気持ちになれた」という感想が聞かれ、その日その場に集まった人達みんなで一つの物語を旅するような非日常的な達成感(=演劇の面白さ)を提供することができました。
参加・見学の中には、本企画へのリピーターが多かったことも今年度の特徴として挙げられます。昨年見学だった方が今年は友人を連れて見学に来てくれたり、昨年の見学者が今年は参加枠(台本を読む人)で申し込んでくださったりする動きがありました。さらに、「昨年度のこのイベントに参加してから、演劇が身近になり、新潟の劇団さんの公演を見に行くようになりました」というアンケート回答もあり、微力ながらも、本企画が演劇の裾野を広げ、新たな観客を創出する入口として機能していることを実感することができました。