【助成事業紹介】響きと人々「琵琶 道成寺」(テーマ別プロジェクト助成)

  • 投稿日:
    2024.10.10(木)
  • written by:
    ゲスト
  • 記事カテゴリー:
    文化芸術活動に関する支援事業
  • ジャンル:
    伝統芸能
日 時2024年5月25日(土)
開場14:00 開演15:00
会 場新潟県民会館 小ホール
(新潟市中央区一番堀通町3-13)
実施者巫舞台
採択金額500,000円
選択テーマ文化芸術と他分野とが連携する取り組み
→連携する他分野:福祉
実施者からの報告
琵琶語りの現代の在り方や楽しみ方を新たに創出し、伝統芸能として過去の演奏を真似るだけでなく、「生きた芸能」として認知、普及していくことを目的とした琵琶演奏を行いました。また、演奏する曲の世界観をより理解しやすくするために映像作品を取り入れました。
ホワイエでは、ご来場の方々に琵琶体験をしていただくブースをつくりました。演奏を聴くだけでなく、実際に楽器に触れ、演奏をするという体験を通して琵琶という楽器を感じていただきました。当日は、多くの方がブースで体験してくださり、琵琶に興味をもつきっかけになったのではと思います。
また、視覚障害者の方への取り組みとして、視覚障害者福祉協会の方に企画段階から相談し、ご助言をいただきました。
その助言に基づき、音声ガイド用のQRコードを記載したパンフレットの作成や奏者による琵琶の説明や今回の会の趣旨を解説する時間を設ける等、「内容を伝える」ことを重視しました。その配慮については、副次的になりますが、視覚障害者以外のお客様にとっても良かったと思います。また、障害者割引の導入により、多くの方が参加しやすいようにしました。パンフレットについては、当初は点字パンフレットの製作を考えていましたが、点字を理解していない方でもわかる手段として、スマホ等の読取機能を使って読んでいただけるようにデザインを工夫し、音声ガイド用のQRコードを記載しました。
アンケートでは、演奏のみならず、映像作品や体験ブースも概ね好評で、視覚障害者だけでなく、多くの方が楽しめた内容だったものと思われます。
琵琶の体験ブースの様子
プログラムオフィサーより
巫舞台さんは新潟市で公演を実施するのが今回が初めてでしたが、事業計画時から持たれていた「来場者それぞれが、それぞれの楽しみ方ができるように」という意識を、終始大切にしながら取り組まれたと感じています。
公演開催にあたり、巫舞台さんは積極的に新潟県視覚障害者福祉協会「にいがたアイサポートセンター」さんや、障害者支援経験がある舞台監督と相談しながら進められていました。体験ブースの実施時間や、音声読み取りしやすいパンフレットの作成など、関係団体とお話をしていく上で実施方法をよりよい形に変更されていた姿は、私自身もとても勉強になりました。
琵琶体験ブースでは、琵琶にふれることはもちろん、ブースを担当されている方に琵琶をはじめたきっかけや、バチや楽器について質問する姿も見受けられ、琵琶の魅力が伝わったのではないでしょうか。
(高橋)