【助成事業紹介】HomeShip~新潟出身振付家によるオムニバス公演&キャリアトーク含むワークショップ及び調査~(テーマ別プロジェクト助成)

  • 投稿日:
    2025.03.31(月)
  • written by:
    ゲスト
  • 記事カテゴリー:
    文化芸術活動に関する支援事業
  • ジャンル:
    舞踊
写真(上)©︎yoshitaka
事前調査インターネットアンケート2024年6月21日~7月26日
インタビュー2024年8月21、22、24、26日
事前調査結果公開2024年11月29日
公演・WS日時2024年12月26日(木)15:00~
2024年12月27日(金)11:00~
会場旧第四銀行住吉町支店(新潟市中央区柳島町2-10)
事後調査公演時来場者へのインタビューインタビュー実施
2024年12月26、27日
実施者ダすけ
採択金額500,000円
選択テーマ文化芸術で子ども・青少年を育成する取り組み
実施者からの報告
本事業では、新潟出身の20代振付家3名(ダすけメンバーの鈴木亮祐と宮悠介の他、山田暁氏)によるダンス作品の上演と、新潟出身30代の振付家2名(井田亜彩実氏、田村興一郎氏)によるキャリアトークとワークショップを開催しました。

公演・キャリアトーク・ワークショップ実施にあたり、事前調査として、現在ダンスに取り組む新潟県内外の学生を対象に、ダンスに対する意識を調査するインターネットアンケートを実施したところ、84名から回答が得られ、その中から同意の得られた5名にインタビュー調査も行いました。インタビュー調査では、調査対象者とインタビュアーのダすけメンバーは近い世代であり、いま現在県内でダンスに取り組む高校・大学生の生の声を聞き出せたと感じています。
これらの調査をふまえたキャリアトークを展開し、主なターゲットである高校・大学生にとってキャリアパスのモデル例となる30代の振付家自身の経験談や葛藤、どのようにして活動しているかを共有しました。キャリアトーク参加者は見識を広げ自分の活動に対する新たな取り組み方を見つけられる場を提供できたと考えています。

ワークショップでは、高校生や大学生の参加を中心に10代から20代の参加が多く、新しい表現方法や体の使い方を学び、ダンスに対するモチベーションが高まったようでした。また、ワークショップを見学していたワークショップ講師の関係者のお子さんの飛び入り参加・受け入れがあったなど、ダンスを通じた繋がりを感じるシーンもありました。

来場者からは、「単純に作品発表の公演のみだと正直物足りないかなと思うが、トークやワークショップなど総じて見えてくるものがあると思った」といった声や、「今まで知りたくても知る機会の無かったことをこのキャリアトークを通して深く学ぶことが出来ました」という感想が聞かれ、今回の企画背景や趣旨が伝わる機会を作れたと思います。また、「久しぶりに創作ダンスを観たので、表現の幅広さに驚かされたし、とっても贅沢なひとときでした」という感想からは、オムニバス公演として多様なコンテンポラリーダンスを紹介できたことが有意義だったと感じました。

また、ゲストアーティストの井田さん・田村さんから、「なかなか新潟にダンスで帰ってくる機会が無かったけれど、今回の企画をきっかけに帰ってくることができた・自分の経験を還元することができた」といったご感想をいただきました。新潟出身振付家のキャリアパスを取り上げることが、高校生・大学生にとって参考になる内容を提供するだけではなく、新潟出身のダンサー・振付家・ゲストの方にとっても、自身の現在地を新潟の人に知ってもらう機会となっていることが感じられました。このことは、高校生・大学生を対象とした本事業の当初のねらいを超えた効果であるとともに、「HomeShip」というタイトルに寄せた想いや狙いの通りでした。

今後も「新潟県内でダンスに取り組む高校生・大学生を対象として、舞踊にまつわる多様な表現と多様なキャリアを紹介する」という目的をより実現する企画立案・運営を行っていきたいです。
プログラムオフィサーより
<ダすけ>のみなさんがご自身の経験から課題を抽出し、今新潟でダンスに取り組んでいる高校生から大学院生までの方々の意識を把握し、照らし合わせながら事業を構成されたことがとても印象に残っています。私自身、調査から公演までを一緒に取り組ませていただいたことで、ダンスと向き合う充実感、折り合いをつけていくこと、将来に向けた気持ちの一部をリアルに感じることができました。
今回は調査を含めて大がかりな事業設計に挑戦されました。この取り組みで収集することができた生の声をベースに、新潟でダンスを始めたメンバーで構成される<ダすけ>であることを活かして、新潟でダンスに取り組む高校生・大学生にとって身近な伴走者となるような事業を選択し、練り上げ、展開していくことを期待しています。(高橋)
キャリアトークの様子