【助成事業紹介】Niigata水の記憶プロジェクト+ 西蒲と大庄屋澤家の移り変わりを深掘りする(テーマ別プロジェクト助成)

  • 投稿日:
    2025.03.31(月)
  • written by:
    ゲスト
  • 記事カテゴリー:
    文化芸術活動に関する支援事業
  • ジャンル:
    美術
ⓒ2024MURAI Isamu
日時展示:
2024年9月25日(水) - 11月17日(日) 9:00~16:30

ワークショップ:
2024年9月14日(土) 10:30~12:00 / 13:30~15:30
2024年10月26日(土) 13:30~15:30
会場澤将監の館
(新潟市西蒲区打越甲434)
実施者Niigata水の記憶プロジェクト+の会
採択金額500,000円
選択テーマ地域文化の魅力を創造・発信する取り組み
実施者からの報告
この取り組みは、地域を再発見してもらうことをめざし、新潟の水の記憶にまつわる作品や道具、写真や解説など、さまざまな展示を行いました。作品は、作家自身の従来の作品と、2009年の市民向けワークショップで生まれた作品に加え、作家が今回あらたに地域リサーチを行い制作した作品と、展覧会前と会期中に行われたワークショップにより市民の方が制作した作品も展示しました。その他に、2015年より市民有志が続けている作品制作場所の巡検記録、地域で使われていた農具・民具や地域の記憶を写した写真・資料、開拓された場所の現在の様子の写真・資料などを展示したことで、鑑賞者がよりその土地を知ることに繋がりました。展示以外では、作家による参加型アートプロジェクトの解説やギャラリーツアー、来場者が地域で使われていた農具を写し取るフロッタージュ(作品制作)ワークショップも実施しました。また、地域の団体等と連携し、共催プログラムとしてトークイベントや伝統芸能「鈴おどり」の披露、地域の歴史をひも解くまち歩きも行いました。

プロジェクトを通じて、地元の方々からも地域の歴史や文化に関する記憶が引き出され、作品とあわせて公開・発信することができました。情報は共催したまち歩き団体や自治会と共有し、活用していただく予定です。今回は、運営・作家・学校等の都合を合わせることが難しく、ワークショップの参加者数を伸ばすことができませんでしたが、地域の小学生が総合学習の一環で来場し、見学時に興味を持ってもらえたようです。

本プロジェクトは、新潟市全域の水の記憶の記録であることから、市内の地域活動に取り組む方々とともに地域の魅力を発見し、磨き、発信する活動を行っていきたいと考えています。巡検を継続し、地域の方への聞き取りや調査、移り変わりの記録・公開を続け、作家の新潟へのまなざしや巡検からの視点を、地域で活動する方や郷土史の研究をしている方と共有し、賛同・協力者を少しずづ増やし、地域文化の点と点を美術で結ぶことで、新潟の魅力を発信する活動を継続していきたいと思います。
ワークショップの様子
展示風景 ⓒ2024MURAI Isamu
プログラムオフィサーより
水や土地の記憶を掘り起こすことで、地元の方の記憶も呼び起こされ、まちの人々が活用できる地域の宝が得られたことは、この取り組みの大きな成果ではないかと考えられます。水により豊かさと苦難の両方がもたらされた土地は新潟にまだまだ多くあります。このたびの西蒲地域でのプロジェクトが、今後も各地域で展開され、新潟の魅力を発見・発信いただくことで、さまざまな地域が活性化していくことを願っています。(大浦)